
1899年、フランスパスツール研究所のティシエは、母乳栄養児の糞便中にYやVの字のように枝分かれしている細菌がたくさんいることを発見しました。彼はこの菌をラテン語で「枝分かれ」を意味するビフィッド(bifid)から、ビフィズス菌と名づけました。このビフィズス菌も乳酸菌の一種で、人に有益な働きをしますが、次のような特徴があります。
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乳酸の他に酢酸も作る(ヘテロ型発酵)。 |
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酸素があると生育できない(偏性嫌気性菌)。 |
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■ 乳酸発酵の形式
糖を発酵させて乳酸だけを作る形式をホモ型乳酸発酵、乳酸以外に他の代謝産物を作る形式をヘテロ型乳酸発酵といいます。
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ホモ型乳酸発酵:C6H12O6(ブドウ糖)→2CH3・CHOH・COOH(乳酸) |
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ヘテロ型乳酸発酵:C6H12O6(ブドウ糖)→CH3・CHOH・COOH(乳酸)+C2H5OH(アルコール)+CO2(炭酸ガス) |
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ビフィズス菌の発酵:2C6H12O6(ブドウ糖)→2CH3・CHOH・COOH(乳酸)+3CH3COOH(酢酸) |
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■ 細菌の酸素要求性
人や動物は、酸素がないと生きていけませんが、細菌の中には、逆に酸素があると生育できない菌もいます。酸素の存在の有無は、細菌の生育に大きな影響を与えます。細菌を酸素要求性で分けると右のようになります。
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